春を待って着手した安土の家造園工事。
住まい計画の入眼ともいうべき植栽が入ると
やはり全体のファサードが引き立ち、柔らな情調が感じられるというもの。
俄然その地に違和感なく馴染む佇まいとなります。
お隣からの視線、室内からの見え方、家との位置関係、重なり、
手の届く場所、少し距離を置く場所、成長したときの様相、
諸々の折り合いを考慮しながら植栽配置を決めてゆく。
勿論、施主さま自ら手を入れ、庭づくりを楽しむ余白も十分に残しながら。
庭はきれいに整えるだけでなく、
日常的に楽しみや遊びの場を与えてくれるものにしたいのです。
仕上げの芝張りは施主さまによるDIY。
盛夏の頃には青々と彩る庭の様相が見られそうです。
4月というのにボンネットに雪を積んだ車さえ見かけた週始め、
見るたびに変わる天気予報にヤキモキしながら
幸いにも風もなく好天に恵まれた大安の日に
お城の見える家、目出度く上棟と相成りました。
家の主要構造を成す木材は
全国一の森林率を誇る高知県は梼原町産のヒノキとスギ。
選別、乾燥、グレーディング管理がしっかりと成された
純国産の構造フレームはその一部が現しとなり
それ自体が空間デザインと一体となります。
組上がった屋根上から眺める城郭群、壮観なり・・・
現代となっては通りに軒を並べる建物は
町家あり、大手メーカーありと様々ですが
この歴史情緒ある界隈にそっと馴染む住まいになればと思っています。
施主さまには早朝より現場に駆けつけていただき、
また、一日を通して多大なるサポートをいただき誠にありがとうございました。
これから長いお付き合いとなりますが
先ずは完成までの間、協働の家づくりにお付き合いくださいますよう
よろしくお願いいたします。