先日、住まいの点検にお伺いした木之本Sさん宅の薪小屋。
小屋の中にはもうすでに 来シーズンのための薪がうず高く積まれています。
およそ3年の時を経て 白木の部分は適度にくすんだ色になり、
焼板は風雨にさらされて 少しこげ茶色がかった色に落ち着いてきました。
芝はびっしりと地面を覆いつくし ケヤキの葉張りもひと回り大きくなりました。
建った当初はその真新しさゆえに 周りから少し目立つ存在であったのが
今や、辺りの風景にもすっかり馴染んで なかなかいい存在感を醸し出しています。
最初から経年変化のイメージを描きつつ 計画を練っていくのですが
こうして実際に時を経た姿を見れば 改めて気付かされることもあります。
この先も永~く、 見守り続けていければ、と思うのです。
少し前に、入居3年の点検にお伺いしたSさん宅。
入居されてから1年後に外構工事をさせていただいたので
庭木を植えてからちょうど2年が経過したところなのです。
久しぶりに訪れる、Sさん宅の木々の様子はどんなものかと
そっちのほうが興味津々だったのですが、 いやはや、その成長っぷりに驚かされました・・
雑木林に囲まれたような庭をつくりたいという Sさんの構想の元に進めた計画でしたが
2年を経て、すでに立派な雑木林に成長しているじゃないですか!
植えた当初より明らかに、ふた廻りほど大きくなったように思います。
庭を横切る白砂敷きの小道も予定通り、 両側から木の葉張りが生い茂ってきて
まさに、緑のトンネルを抜ける小道。 地面を覆う下草類がいい雰囲気を醸し出してますね~
デッキに腰掛けて見えるアングル。 周囲からの目隠しの役割もしっかり果たしています。
デッキ前にはハーブ類やミントなんかも植えられていて 日々の料理にも緑を添えておられるとの事。
日常に、自然に溶け込んでいるというか 日々の暮らしに一体となって存在している、
理想的な庭の在り方ではないでしょうか・・
生活の場は家の中だけにとどまらず、 五感で感じる心地よさを求めて 外へ外へと広がっていくもの、
緑や土に近い暮らしに豊かさを感じるのは 人間の本能的な、感覚的な行動でしょう。
Sさん宅の庭もまだ2年を経たばかり、 今後の成長が、また楽しみですね~
べんがら塗の骨太な柱、梁、 そして床組みまでもが露わになった室内。
先週から始まった改修工事の現場。
1階の和室以外の空間を改修する、 比較的大きな規模の改修工事です。
元からある住まいの、残すべくは残しながら ガラリと違う空間に生まれ変わる、
新築にはない、改修工事の面白いところです。
そしてもう一件こちらでも 間もなく始まる改修工事にあたって 着工前の現場確認です。
しばらくは、 この2件にどっぷりつかりそうです。
先日の日曜日に見学会も終了した『大堀町の家』
程なくして、建物のお引き渡しも完了いたしました。
震災の影響もあり、当初の予定から 若干遅れてのお引き渡しとなってしまいましたが
諸々の事情をご理解いただき、この日までお待ちくださいました。
工事中は様々に思考を巡らせ、検討を重ね、 完成に向かって注力してゆくのみですが
いざ完成し、お引き渡しの日を迎えると その達成感とともに 少しの寂しさを感じたりもするのです。
住まい手のT様、間もなくのご入居、 本当におめでとうございます。
まだ外構が継続中なのでもうしばらくお邪魔しますが 今後とも末永く、よろしくお願いいたします。
この先一年後、五年後、十年後と いい感じに変わっていくであろう住まいを見守ってゆくのが
これからの楽しみとなります。
『大堀町の家』LDKをこのアングルから見ると まさに全体がひとつながりの
大きな空間であることが見てとれる。
横方向への広がりと正面方向への奥行き感、 そしてここには映っていませんが
大きな吹抜けによる縦方向へのボリューム。
それほど大きな住まいではないのですが LDKを中心に置いて
あらゆるところへつながりをもたせることで コンパクトに見える外観とは裏腹に
開放的な室内空間を内包しているのです。
余計な廊下がなく、オープンにつながるので 動線はとてもスムーズで効率的。
かつ、トイレやユーティリティなど 表に見せたくないプライベートな部分は
パブリックスペースから直接見えないように配置しています。
限られた面積の中でも 空間を立体的にとらえるプランニングの工夫で
広々と暮らせる住まいはつくれます。
そんな工夫の詰まった『大堀町の家』 一度ご覧になってみてください。
今度の日曜日に一日だけの見学会です。
LDKの南寄りの一角に設けた 広さで言えば3帖ほどの吹抜け。
梅雨時のどんよりとした空模様の日でも 吹抜けに面する、1階から2階まで連続する開口部から
十分な天空光を取り込むことができるので 室内はとても明るく、開放的です。
窓を少し開ければ 風は東西南北方向だけでなく 下から上へと縦方向の流れも発生するので
通風、換気の上でもとても有効です。
しかし、やはり吹抜けに期待する第一の効果といえば 圧倒的な空間の広がり、
解放感、そして 上下階の距離感をぐぐっと近づけることです。
家中全体がひとつながりの空間のようにすることで 限られたスペースを広く使うことができ、
また、将来において住まい手の暮らしの変化に対しても 汎用性のある使い方ができるのです。
『彦根 大堀町の家』