家の大きさ、部屋の広さというのは、何畳とか、何m2とか
とかく平面の面積だけで、狭い広いと判断されがちですが
室内空間は当然高さ方向も含めた立体なので
同じ畳数の部屋であっても空間の使い方次第で
視覚的に感じる広さ、実用上使える広さ、どちらも全然変わってきます。
大切なのは、平面の面積ではなく空間の容積をどう使うかを考えることです。
それと、将来の子供の成長や家族構成の変化を見据えて
あまり部屋を細かく仕切らずに、可変性を持たせておくことです。
小屋裏までどーんと大きく解放すれば
こんな楽しそうな空間が生まれます。
雑多なモノの収納場所としても十分に実用的。
家づくりは、おおらかに考えるのがいいように思います。
といっても、人の体のほうではありません。
先日、築5年になる木之本のSさん宅に定期点検にお伺いしました。
OMソーラー搭載のSさんの家では通常の住まいの点検に加え
ソーラーシステムの点検もあわせて実施。
まずはOMソーラーの心臓部、ハンドリングボックスの動作チェックから。
5年を経過しても、機器類はまだまだ新品同様の状態を保っており
この日の晴天と相まって、すこぶる快調に太陽熱を家の中に運んでくれていました。
もうこれくらいの時期になると、天気のいい日は暖房に使う熱が余り気味になり
お湯採りのほうに熱エネルギーを回収できるようになっていきます。
屋根に登って集熱パネルの状態もチェック。
こちらも5年を経ても、ビシッと良好なコンディションを保っています。
こうして見ると本当に、" 太陽熱集めてるぞっ!" て感じがします。
ちなみにこの日の集熱温度は70℃近くに達していました。
薪ストーブの煙突のトップを覗いてみる。こんな造りになっています。
このアングルから見たことのある人ってあまりいないんじゃないでしょうか。
向こうに見えるのは薪のストック小屋。
今シーズンのストーブの出番もそろそろ終わりでしょうか。
今冬は例年よりも積雪は少なかったですが、薪の消費量は多かったそうです。
12月から2月にかけて日射量が少なかったのが原因ではないかと思います。
春を待つ庭。
Sさんの家にお邪魔すると、いつもこの庭をプチ散策するのが楽しみなんです。
木々はまだ葉を落とした状態で、冬の庭の様相ですが
4月になればぐんぐんと新芽が芽吹きだして
6月頃には見違えるように青々とした雑木林の庭になります。
5年を経て、ますます風格が増してきたお住まいと
年々成長を続ける雑木林の庭。
これからもちょくちょくお邪魔させていただきます。
いよいよ家づくりの計画が具体的に動き始める時、
まず最初の設計プロセスとなるのは基本プランニング。
住まい手さまがお話しくださった家づくりへの夢や希望のあれこれ、
それらの一つ一つをしっかりと頭の中にたたきこんで
愛用のシャーペン、PRESS MAN 0.9mmを片手に机に向かいます。
まさに無から有を生み出す、最初の段階。
家づくりのすべての基本となるこのプランニングが
設計において最も重要で熟考を要する、悩みどころなのですが
同時に、頭に浮かんだ案をグリグリと方眼紙に書き落としながら
だんだんといいプランにまとめあげていくのは
設計者だけが味わえる面白さでもあるのです。
いいプランがまとまれば、これを図面に起こして
いよいよ住まい手さまへのプレゼンテーションとなります。
さて、気に入っていただけるでしょうか・・・
まだ3月半ばというのに、春も通り越したかのような陽気。
現場にとっては非常にありがたい、
ここぞとばかり、外部の作業がはかどります。
伊藤大工さんは杉のヨロイ板貼りの真っ最中。
フラットではない、表面に角度のついた板を
角もビシッと合わせて貼りあげていく、高い精度を必要とする作業です。
それだけに仕上がった姿はなかなか壮観。
木を使うからこそ表現できる質感です。
家の正面にぐぐっと張り出した、大きな軒下空間のある宇根の家。
玄関へのアプローチ、勝手口のサービスヤード、駐輪スペース、DIYスペース、
家の外観を整える、いろんな機能を合わせ持っています。
家の内と外の間をつなぐような汎用的な空間は
日常のいろんな場面で役立ってくれるのです。
豊住研加工場にやってきた、厚物の無垢の一枚板。
北海道や東北に分布する『タモ』という名の木です。
材質は重硬で、なおかつ弾力性にも富むので
野球のバットやラケットの素材としても重用される木です。
広葉樹ならではの重厚な質感とギュッと詰まった木目。
いや~、良いモノが手に入りました!
巾はそれほど大きくありませんが、カウンターなんかには十分に使えるし
2枚を巾合わせにしてテーブルをつくるってのも良さそうです。
さっそく現在進行中の現場で使おうと思案中。
さてさて、あれもいいし、あそこにも使いたい・・・
いい素材があると、それをどこでどのように活かそうかと
いろいろ楽しい発想が頭に浮かんできます。
様々な種類の木を適材適所、上手く使いこなすことも
木の家づくりの醍醐味なんです。