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設計 太田のブログ|滋賀(長浜・米原・彦根)で木の家 注文住宅・リフォームなら 長浜の工務店、豊住研へ

形の持つ意味2

前回紹介した、軒ゼロ住宅は雨漏り発生リスクは通常の5倍-という記事。
住宅瑕疵保険会社大手の取り扱った雨漏れ事故案件の統計によると
雨漏れ発生箇所の7割超が軒の出のない箇所であった。

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軒ゼロデザインにするための建材などもいくつかのメーカーから販売されてはいるが
建材には必ず経年劣化があるので、その性能に頼ったつくりでは長期間性能を維持できない。
家は非常に長い年月にわたって住み続けるものなので
その間に地震や暴風によって動き、当初の性能が損なわれることも考えておかねばなりません。

しっかり軒の出た屋根にすることで

そういったリスクを確実に軽減できるということです。

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また、南面に大開口サッシがあるのに軒の出も庇もなければ
日射が燦々と室内に射し込み、とても暑くて快適とはいえない住まいになってしまう。

前回も書きましたが、真夏に掃き出し窓1ヶ所から入り込む放射熱はコタツ1台分ほどにもなるので

日射遮蔽ができていなければ掃き出し窓の数だけコタツを焚いているようなものなのです。


現在工事中の高月の家、南の軒はすうっと長く伸びている。

s-DSCN1121.jpg


室内から見上げると、夏の角度のある日射しをしっかり遮るであろうことが見て取れる。

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家に限らず、デザインと機能性とは表裏一体のものだと思います。
意味のある形だからこそ長きにわたって受け継がれ、

そこに普遍的な美しさを感じるのではないのでしょうか。

家は一度建てれば、何十年の長きにわたって存在し続けるもの。
流行り廃りに流されない、時間の経過に耐える普遍的な形を求めていきたいと思っています。

形の持つ意味

毎月購読している業界誌の最新号の特集記事、
『それでもやる?軒ゼロ住宅』
雨漏り発生リスクは通常の約5倍-という見出しがついている。

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(日経ホームビルダー 12月号より)


かつて、隣地境界からのセットバックが確保できないような市街地や密集地において

立地条件による必然から軒のない、あるいは非常に短い住宅がつくられたのでしょうが
昨今はそういった事情に関わらず、敷地に十分な余裕がある場合でも
最初から軒ゼロデザインありきで建てられたであろう住宅を随分多く見かけます。
建築雑誌を見ても、若手設計者やデザイナー住宅を標榜する会社に多く見られ
それがデザイントレンドであるが如く広まっている印象があります。


昔ながらの田舎普請と言われる瓦葺、ベンガラ塗りの家は

今日においては温熱環境や使い勝手に少々難ありではありますが
家のプロポーションの観点から見れば、とても理にかなっています。


大きく伸びた軒の出は、夏の日射しが室内に侵入するのを防ぎ、室内を涼しく保ちます。
少々の雨降りでも窓を開けて風を通すことができるので
びわ湖からの蒸散で比較的湿度の高い滋賀の夏を過ごしやすくしてくれる。
年間の降雨降雪量の多い湖北地方にあっては、外壁の耐久性向上にも一役買っている。
外壁への雨当たりや雨づたいを軽減するので外壁が長持ちし、雨漏りリスクも少なくなる。


人は雨が降れば傘をさし、大きな傘ほど足元まで濡れにくいのと同じことで
家にも大きな傘が必要なのは自明の理。
今なお受け継がれる家の形は、地域の気候風土に順応するように
長年にわたって醸成された、意味ある形なのです。


しかし、これが軒ゼロとなれば全く逆の話になってきます。

日射しを遮る軒や庇がなければ、直射光が室内にまともに入り込む。
真夏であれば掃き出し窓1ヶ所から入り込む放射熱はコタツ1台分ほどにもなる。
小雨程度でも雨が吹き込んでしまうので外が涼しくても窓は開けられず、
吹き降りでなくても雨は外壁を濡らし、伝い、雨漏れのリスクを高める。
紫外線の当たる範囲も大きくなり、それによる外壁の劣化も早めてしまう。

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勿論、敷地や隣家との関係から、部分的にこういった納まりを採用する場合はありますが

そのためには素材の選定や納め方の勘所をきちんと押さえておくのが必須。


長くなりました。次回に続きます。

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