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設計 太田のブログ|滋賀(長浜・米原・彦根)で木の家 注文住宅・リフォームなら 長浜の工務店、豊住研へ

形の持つ意味

毎月購読している業界誌の最新号の特集記事、
『それでもやる?軒ゼロ住宅』
雨漏り発生リスクは通常の約5倍-という見出しがついている。

s-IMG_2256.JPG

(日経ホームビルダー 12月号より)


かつて、隣地境界からのセットバックが確保できないような市街地や密集地において

立地条件による必然から軒のない、あるいは非常に短い住宅がつくられたのでしょうが
昨今はそういった事情に関わらず、敷地に十分な余裕がある場合でも
最初から軒ゼロデザインありきで建てられたであろう住宅を随分多く見かけます。
建築雑誌を見ても、若手設計者やデザイナー住宅を標榜する会社に多く見られ
それがデザイントレンドであるが如く広まっている印象があります。


昔ながらの田舎普請と言われる瓦葺、ベンガラ塗りの家は

今日においては温熱環境や使い勝手に少々難ありではありますが
家のプロポーションの観点から見れば、とても理にかなっています。


大きく伸びた軒の出は、夏の日射しが室内に侵入するのを防ぎ、室内を涼しく保ちます。
少々の雨降りでも窓を開けて風を通すことができるので
びわ湖からの蒸散で比較的湿度の高い滋賀の夏を過ごしやすくしてくれる。
年間の降雨降雪量の多い湖北地方にあっては、外壁の耐久性向上にも一役買っている。
外壁への雨当たりや雨づたいを軽減するので外壁が長持ちし、雨漏りリスクも少なくなる。


人は雨が降れば傘をさし、大きな傘ほど足元まで濡れにくいのと同じことで
家にも大きな傘が必要なのは自明の理。
今なお受け継がれる家の形は、地域の気候風土に順応するように
長年にわたって醸成された、意味ある形なのです。


しかし、これが軒ゼロとなれば全く逆の話になってきます。

日射しを遮る軒や庇がなければ、直射光が室内にまともに入り込む。
真夏であれば掃き出し窓1ヶ所から入り込む放射熱はコタツ1台分ほどにもなる。
小雨程度でも雨が吹き込んでしまうので外が涼しくても窓は開けられず、
吹き降りでなくても雨は外壁を濡らし、伝い、雨漏れのリスクを高める。
紫外線の当たる範囲も大きくなり、それによる外壁の劣化も早めてしまう。

s-IMG_2257.JPG


勿論、敷地や隣家との関係から、部分的にこういった納まりを採用する場合はありますが

そのためには素材の選定や納め方の勘所をきちんと押さえておくのが必須。


長くなりました。次回に続きます。

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