今週からまた新たに、能登川駅の近くで工事が始まっています。
大通りから一筋入った場所に位置する、静かな住宅街。
道向かいには立派な神社と鎮守の森が広がっています。
この辺りは地下水位も浅く、地盤もあまり強くないとはよく聞きますが
地盤調査の結果はやはり、地盤改良が必要との事。
という事で今週はまずその地盤改良工事からスタートしました。
昨今の住宅工事における地盤改良で最も一般的なのは「柱状改良」でしょう。
強固な支持層のある地層まで直径60センチほどの孔を掘り、
土とセメント系の固化剤とを混合して地中に杭を形成するという工法。
しかし今回は敷地内に住まい手さまが昔からお使いの井戸がありました。
水脈は地下7mほどと割と浅い水源から汲み上げているらしいのですが
飲み水にも利用できるきれいな水質なのだとか。
この辺りにいい水脈があって上水道よりも井戸水をよく使うお宅が多いとのことで
地盤改良においても地下水を汚染する心配のない「砕石パイル」という工法を採用しました。
まずは強固な支持層のある深さまで孔を掘る、ここまでは柱状改良と同じですが
この中に砕石を少しずつ投入して孔掘機械で圧力をかけながら締め固めて行きます。
土を砕石に置き換えるだけで固化剤などの化学製品をまったく使わないので
土壌汚染の心配が皆無です。液状化にも効果があるようです。
砕石が丸く固まっているのが仕上がりの状態。
材が砕石なので、基礎工事の際に同じ砕石で高さの微調整ができます。
地盤改良はその土地の状況によって適した工法を検討・選択するのですが
この「砕石パイル工法」は化学製品を使わないため無公害でCO2削減にも貢献、
液状化にも効果ありということで、なかなか優れた工法です。
地盤改良はしなくて済む、のが一番いいのは当然ですが
必要とあらば、この工法も今後検討の一つに加えていきたいと思います。