今月末の上棟に向け、昨年より引き続き基礎工事が進んでいる『宇根の家』
近くの山の木を使って建てる、無垢の木表しの家です。
今週は、構造材の加工に取りかかる前の必須であり恒例のプロセス、
構造材の木材検査、『材検』に行ってまいりました。
これまでも幾度となく行ってきた『材検』。
回を重ねるごとに要領よくパッパッと・・・と言いたいところですが
検査対象が一本一本性質の違う無垢の木なだけに、手順を省略したり簡素化したりする訳にはいきません。
材料の一本一本を、私たちつくり手自身の目で地道にチェックしていく、やはりこれしかないのです。
近くの山の木で建てる家は、柱にヒノキ、梁に杉を主に使います。
かつては構造材に杉というと、乾燥が悪かったり強度上劣るのでは、という声も聞かれましたが
私たちが使う杉材は、しっかりと乾燥されたものだけを扱う産地のものだけです。
すべての材の含水率と強度が機械によって計測・確認された性能証明材なのです。
そしてこれらの材を木目や節、色目などを確認しながら、家の中で木をどのように見せるか
図面と照合しながらどの箇所にどの材を使うのかを一本一本決めていきます。
木の構造表しの家では、柱や梁もインテリアの一部となるので、この段階での見極めがとても重要なのです。
家一棟分の木材は相当な数、しかも大きなサイズの梁は重さ100キロほどにもなるため、なかなかの体力仕事。
材木屋のスタッフさんにも協力いただいて、5人掛りの作業です。
黙々と作業を続ける現場担当の徳田さんと、大工の伊藤さん。
この道のキャリアも長いお二人の選定眼は確かです。私はその横でサポート役に徹します・・・
こうして一通りの検査が終わる頃にはとっぷりと日も暮れておりました。
丸半日掛りの作業となりましたが、これで安心して加工工程へと進めていくことができます。
この『材検』、なかなか時間と手間のかかるプロセスではありますが
近くの山の木を使うからこそできる私たちの家づくりのこだわりであり、
無垢の木でつくる家づくりの醍醐味だと思っています。
これで後は上棟当日の晴天を祈るのみ、なのであります。