コーナーの柱を挟んで配置した二つの開口部。 まだサッシが取り付く前の段階です。
一般的な窓の取り方からすれば 少し変わっているのかもしれないが、 これはこれで、
厳密に調査した土地と方位の関係や 周囲に建つ建物の状況からみて どこに、
どんな大きさで、どれくらいの高さに、 どのようなタイプの窓を配置するのか、
ひとつひとつの窓について意味を考え ベストな選択を導き出していくのです。
窓を開ければ、そこに何が見えるのか、 いい景色が広がっているのか、
寒い冬に暖かな陽射しが射しこんでくるのか、 暑い夏に涼感をもたらす風が通り抜けていくのか、
人が五感で感じる家の居心地の良さは 窓の在り方ひとつで大きく変わってくるものだと思います。
ここ「彦根 大堀町の家」、南西に隣家が立ち並ぶ立地条件。
しかし、午後だんだんと陽が傾いてくるにつれて 隣家同士の間から陽が射しこんできます。
そこを狙って開けた開口部、 まさに予定通りの効果をもたらしてくれた。
そして低く位置する窓は 周りからの視線を遮りつつ 風を通し、坪庭を眺められるようにしたもの。
入念に計画しているとはいえ 実際にその場に立って改めて確認し、
また新たに気付かされることもある、 窓の計画、本当に奥が深いのです。