玄関上り口に、もとからあった大きな式台。
板幅60cm、長さ3.8mの立派な一枚物の無垢板です。
経年とともに表面の色ツヤは失われ、
シミや汚れが目立ってきていたこの式台。
今回、表面を丁寧にサンドペーパーで磨き直し
蜜ロウ配合のウッドワックスを塗り込んで仕上げました。
この何とも深みのある赤褐色、
何も色などはつけておらず
この木材本来の色がワックスによって引き立っているのです。
ついこの間までの状態と比べれば
まさに見違えるような、美しい色ツヤと木目。
年月を経て古びたように見える木材も
一皮むけばこのように、当時の状態を取り戻せる。
無垢材なればこその特権、そして
よく吟味された材だからこそ
こうして長きにわたって使い続けられるのです。

(太田)