こちら、八島町の改修工事の現場では
まず取っ掛かりの解体作業が進行中。
外部では、古びて塗装が退色し
サビも目立っていたトタンを撤去。
中に隠れていた柱や梁、土壁は特に傷みもなく
まだまだ十分に建物を支えてくれてます。
昔の家のトタンや焼杉板貼りの外壁って
けっこうあちこちに小さな隙間だらけで
現在の工事レベルからは考えられないですが
それでもそこからの雨漏れで
壁の中がやられているというような事は稀です。
それも深い軒の出に守られていることと
土壁の調湿性、そして家全体の通気性の良さからでしょう。
やはり多雨多湿の日本の家では
軒をしっかり出すのが必須なんですね。

内部も床下地板を除いて
古い天井、壁の撤去がほぼ完了。
今回は主たる構造部はそのまま残し、活かしつつ
間取りの変更も含め内部をガラリと変身させていく計画です。

見上げれば立派な小屋組が。
弓なりにムクリのついたゴツい丸太で組む
雪国仕様の頑丈な屋根の構造。
昔は1mほど積もるのはザラでしたからね~

こちらは続き和室と縁側の取り合い部にあった柱。
鴨居やランマ、廻り縁の仕込まれていた彫り跡です。
複雑に、緻密に加工されたヒノキの柱。
加工穴は埋め木を施し、補強して
これからも屋根を支え続けてもらいます。

こうした古い建物の解体工事は
昔の職人さん達の仕事の跡を垣間見ることができて
なかなか楽しいものです。
(解体業者さんは暑い中大変なのですが・・)
隠れていた部分が露わになることで
なるほど、そうなっていたのか、と
発見することも多々あったり。
日本の木造建築は、なかなか奥が深いのです。
(太田)