昨日に引き続き、今回の上方町家の会@山梨研修での
お宅訪問の様子をお届けします。
この日最後に伺った、緑に包まれた山の傾斜地に建つ住まい。
OMソーラーのパネルが並ぶ大きな大屋根、
手が届くほどに低く抑えられた軒先、
昔ながらの古民家を連想させる、どこか懐かしくも美しい佇まい。
身近にある自然や木、農に親しむ暮らしを提案する
これが山口工務店さんの代表的なスタイルのようです。


内部も大屋根形状を活かして2階までつながる大空間。
構造体そのものもデザインの一部となっています。

玄関を入ると正面にどんと据わる大きな戸棚。
こちらのご主人が数十年にわたって収集されてきた
小道具や陶器、カメラ、映写機、扇風機、火縄銃にいたるまで
家中のあちこちに置かれていて
それらが家と暮らしの中に見事に溶け込んでいたのです。

2階の大部分を占有しているシアタールーム。
外光の侵入を抑えて少しほの暗い室内は
静かに映画鑑賞など楽しむのに最高のシチュエーションですね・・・

ご主人が家を建てるにあたって望まれた条件のひとつが
雨の日を楽しめる住まいにしたい、という事だったそうです。
そうして出来上がったこの住まいは
深い軒に守られた外縁、広い土間、
間仕切りのないワンルーム空間、
雰囲気のあるシアタールーム、
そして窓の向こうに広がる雄大な自然。

様々な構想が見事に実現されたこの住まいを見ていると
施主さまの並々ならぬ家づくりへの情熱と
山口工務店さんの設計・施工力のレベルの高さを強く感じました。
そして施主さまの「暮らし力」「住みこなし力」、相当なものです!
じっくりと住まいを見学させていただいた後には
奥さま手作りの赤飯やおはぎ、煮物に浅漬けまで御馳走になりました。
これらの食材も鶏肉とお米以外は
すべて自ら畑で栽培、収穫されたものなのです!

今回の研修、個人的には最後に見せていただいたこのお宅が
一番強く印象に残っています。
場所は違えども、滋賀湖北地方の住まいにも通ずる
田畑が身近にあって、農とつながっている暮らしは
私達の今後の家づくりにも大いに参考になりました。
平日にもかかわらず快く受け入れてくださった住まい手さま方、
そして山口工務店さんに深くお礼申しあげます。
今回の学びを上方町家一同大いに活かして
さらに高みを目指していきたいと思います。
「上方町家の会 研修」
豊住研 太田